「三治郎のライバルの段」
『忍たま乱太郎』16期第64話
2008年6月26日放送
「いつも二番なんだぜ」。
え!? 三治郎って「~なんだぜ」って喋り方をするのか!? これは意外。
乱太郎に足で勝てずいつも二番の三治郎。乱太郎に負けても笑顔だったのは負けて悔しいところを見せるのが嫌でわざと笑っていたとの事。いつも笑顔の三治郎であったがその笑顔は作り笑いだったと言うのが衝撃。今回は落ち込んでいる表情も見せていて、アニメ版の三治郎は『忍たま』には珍しく表に出ている部分と内に秘めている部分に大きな違いがあるキャラクターとなった。
この「勝負に負けたくない」「負けて悔しいところを見せるのも嫌だ」と言うのも『忍たま』では珍しく、どことなく少年漫画的である。こうしてアニメ版の三治郎は『忍たま』では珍しい少年漫画的エピソードが作られるキャラクターとなった。
山伏の父と一緒にいて足腰が鍛えられた三治郎は乱太郎が足が速いのは何か特別な事をしていたからと考える。この「練習の積み重ねが結果に繋がる」と言う発想も実に少年漫画的。
乱太郎がどうやって足腰を鍛えているのかを友達のきり丸やしんべヱに聞くのは自分のプライドが許せないと言う三治郎。負けず嫌いから作られたキャラクターなのだろうが、アニメ版の三治郎は結構メンドイ性格をしている。
『落第忍者乱太郎』と言う題名の通り、基本的に乱太郎は「落ちこぼれ」と言う設定なのだが、こと足の速さの話になると、三治郎視点から見た乱太郎はエリートのように描写されているのがいつもと違っていて新鮮。
今回は三治郎と伊助と土井先生と言う珍しい組み合わせ。今回の話は主人公の乱太郎を多く出せない構図になっているのだが、きり丸やしんべヱや庄左ヱ門に比べて個性の色が薄い伊助は乱太郎の代わりに話の中心で皆を繋げるのに向いている。こうして見ると伊助って実は元々の主人公である乱太郎に近いキャラクターをしていたと言える。
出番こそ少ないがさすが土井先生は一年は組の忍たま達の事がよく分かっていると感じる話であった。
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