「不運厳禁の段」
『忍たま乱太郎』24期第40話
2016年5月27日放送
恒例の厳禁シリーズだが今年は伊作がメンバーに加わっている。
ただでさえ仙蔵にとっては大変な厳禁シリーズに不運大魔王と言われている伊作が加わったらどんな恐ろしい事になるのやら……と視聴者だけでなく仙蔵本人も戦々恐々としていた回。しかし、実際はしめりけコンビのマイナスに伊作のマイナスが掛け合わされてプラマイゼロに転じると言う意外な展開に。(マイナスとマイナスを掛け合わせてもプラスに転じると言う発想が出てこない厳禁シリーズの仙蔵……)
いつもだったら橋から落ちて川に流されるところなのに無事だったりイノシシに襲われた時に宝禄火矢を失ったらそれが結果オーライになったりと今年は酷い目に遭わない事に驚く仙蔵。でも、冷静に考えると、伊作が橋から落ちそうにならなかったらしんべヱと喜三太が転がって来る事は無かったし、イノシシに襲われた時も伊作が誤って宝禄火矢を弾き飛ばさなかったら普通にイノシシを撃退して終わっていたような気がする。
仙蔵はしめりけコンビと伊作のマイナスが掛け合わされて普通になったと言うが、実際は「最悪じゃないけれど実は結構ヤバい状況」であった。あまりにも毎年色々あったので仙蔵の中での普通レベルがかなり下がってしまっているようだ。
仙蔵は伊作の手伝いをしている一年生は保健委員会の乱太郎と伏木蔵だと考えるが実際はしんべヱと喜三太であった。保健委員会が顧問の新野先生の手伝いをして人手不足になったので、伊作と同室の留三郎が用具委員会のしんべヱと喜三太を伊作に貸したのだった。この辺りの人間関係の繋げ方はさりげないがかなり上手い。
伊作を始めとする保健委員会は自分達が不運である事を自覚しているので保健委員会の伊作と乱太郎が登場する同室シリーズでは伊作と乱太郎は「どこかで不運な事が起きる」とネガティブになっている。
そして厳禁シリーズでは仙蔵はしんべヱと喜三太と一緒になると良くない事が起きているので、二人と出会うと「どこかで良くない事が起きる」と戦々恐々してしまう。
なので今回の話で仙蔵はしんべヱと喜三太と一緒なので「どこかで良くない事が起きる」と戦々恐々するのだが、伊作は今日は保健委員会は自分一人だけなので「今日は不運な事は起きないだろう」とポジティブだった。
同室シリーズと厳禁シリーズと言う二つのシリーズにおける登場人物達の認識のズレと言うのが興味深かった。
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