「宮中孤軍」
『封神演義』第5回
武成王・黄飛虎登場。
人間(後に天然道士であると説明がある)だが妲己の誘惑の術にかかっていないと言う珍しい人物。前回の話で王貴人が太公望に「武成王の椅子を用意する」と言ったのは黄飛虎が味方にならない邪魔者であった事も関係していると思われる。
黄家は代々殷王朝に仕えてきて王朝に忠誠を誓っていると語る黄飛虎。
紂王陛下は元々は素晴らしい人で殷王朝を食い物にする妲己こそが敵と言いながら、妲己の事をちゃんと「皇后」と呼んでいるところが黄飛虎らしい。
後に妲己は黄飛虎を殷の敵とするべく、黄家と殷王朝の間にあった絆を断ち切る事にする。
残虐非道な妲己だが姉妹の絆は固く、今回は王貴人を辱めた太公望に対して「許さない!!!」と心の中で怒りを見せている。いつもニコニコ笑っている妲己がここまでの怒りを見せたのは珍しく、彼女の妹達への愛情が垣間見える。
なので太公望が王貴人の琵琶を火で炙るか鞭で打つかと言った時の「待って!!!」は本心から焦っていたと思われる。ひょっとしたら劇中で妲己が最も焦った場面だったのかもしれない。
「誘惑の術」に続く。