炮烙・蠆盆・酒池肉林と残酷な描写のある話に可愛い雰囲気を差し込む事で残酷さを緩和しようとしているシリーズ? でも今回は『封神演義』を代表するトラウマ回になっているので全く緩和されていない事が分かる。
前回から今回まで約7年の月日が経過。その間に太公望は霊穴で力を付け、四不象は世界の情報を集めて太公望に伝える事となる。
姫伯邑考に対して誘惑の術の効果が薄い事を知った妲己は研究を始める。
歴史を操るのに誘惑の術は最適なのだが現時点でも太公望、申公豹、黄飛虎、四大諸侯の他、普通の人間である商容や梅伯にも効果があまり無かった。誘惑の術を極めて政財界のトップを操る事が出来れば歴史の操作がグッと楽になるのだが今回の話でも結局は姫伯邑考を誘惑出来なかったように今後も妲己はレベルの高い人間を操る事はあまり出来ていない。そこで、この後はレベルの低い人間をどれだけ多く操れるかに方針転換する事になる。
今回の妲己の行動は四大諸侯の力を削ぐ事が目的かと思われたが胡喜媚の質問に妲己は「大戦争を起こしてもらわないと困る」と答えている。元始天尊の掲げた封神計画の目的が変更されたのに合わせて、こちらも真の目的が変更されている。
「そしてその夜、姫伯邑考の魂魄が封神台へと飛んだという」。
……? ちょっと待って。
伯邑考が妲己に殺された時間は家宝の説明に参上した朝の時点のはず。
その後、妲己がおいしそうなお肉でハンバーグを作って姫昌の昼食に出した。
それなのに伯邑考の魂魄が封神台に飛んだのは姫昌が西岐へと出発した夜の時点?
と言う事は姫昌は伯邑考の魂魄が残ったままの肉を食べた事になるのか? そして、しばらくしたら自分の腹から息子の魂が出て……。これはトラウマになるのも無理は無い。
どうして伯邑考の魂魄が殺されてすぐに封神台に向かわなかったかだが、おそらくこれは父親が解放された時にようやく安心して成仏する事が出来たからだと思われる。
妲己が本気で激怒したと言う事は白面猿猴が襲いかかってきたのを本気で避けられなかったと言う事なのかな。さりげに凄いぞ、猿!
「聞仲VS.妲己の構図」に続く。