「四不象・鳥のエサとなる」
『封神演義』第52回
太公望は朝歌を攻める前に北の問題を片付ける事に。
わずか百人の兵では戦も出来ないのだが、たとえ百人でも商人や農民は怖がって流通が止まってしまう。ここで太公望は相手が崇侯虎なら脅しに屈して味方になる、弟の崇黒虎なら道士なので兵は襲わないと言う計算があった。崇黒虎が道士として戦いを挑んできた場合は鳥のエサを使って自分が神鷹を引きつけている間に黄飛虎に倒させると考えていたようだ。
太公望のこの策によって崇黒虎は絶体絶命の危機に陥り西岐に降伏するしか手段は残されていなかったのだが、あのまま降伏しても崇黒虎の中に太公望や西岐に対するわだかまりは残っていただろう。序盤にあった人狩りに遭いそうな村や難民が関所を渡る時も太公望は犠牲が少ない結果に終われば自身の評価はどうなっても構わないとしていた。今まではそれで良かったかもしれないが今の太公望は西岐の軍師でもあるので、太公望の評価はそのまま西岐の評価に繋がる事になる。なので太公望が相手に恨まれる事をしたら、それはそのまま西岐が恨まれる事になってしまうのだ。
「老賢人に幕は降り㊤」に続く。