翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「魔家四将① -革命幼年期の終わりと物語枢軸のはじまり-」 『封神演義』第55回

「魔家四将① -革命幼年期の終わりと物語枢軸のはじまり-」
封神演義』第55回

 

姫昌が死んで姫発が後を継ぎ、姫発は武王を名乗り姫昌は文王と諡される。そして西岐は周と名乗って殷から独立。臣下が紂王を差し置いて王を名乗った事で西岐は朝歌に対して本格的に謀反を起こした形となった。

 

姫発を王とするのは周公旦の発案で、それは殷と紂王と言う国と王と戦うには自分達も国と王がいなければいけないと言うものであった。しかし、太公望はそれに加え、紂王と等しく王を名乗る武王をエサに聞仲を誘き寄せる策を作る。以前に聞仲は妲己の事を「真の陰謀家は一つの行動で二つも三つも効果を考える」と言っていたが、太公望妲己と同じく一つの行動で多くの効果を生み出している。

 

今回の太公望の策は「武王をエサに聞仲を引きつける」であった。今の時点で聞仲が来ても勝てないのでは?と思うかもしれないが実は勝算は十分にあった。
聞仲は人間同士の争いの場合は仙道の力を使わないようにしている。つまり、太公望が人間の戦を仕掛けたら聞仲も人間の兵を使って応じるわけだ。実際、今回の聞仲は黒麒麟に乗って直接攻めるのではなく人間の兵を率いて出撃しようとしていた。
人間の兵を使っての戦だが、聞仲は北海の反乱を鎮めるのに10年近くかかるなど、あまりその方面は強くない。対して周には太公望も武成王もいるので、人間の戦だったら聞仲に勝つ可能性は十分にあった。
もし聞仲が仙道を使ってきたとしても性格を考えると正面から来るはずなので、その場合は警備の兵を逃がして太公望達で対処しようと考えていたと思われる。(が、実際は太公望も聞仲も予定していなかった魔家四将が隙を見て潜入してくる事になる)

 

ここで聞仲が人間の戦で負けたら殷周易姓革命は周の勝利で終わっていたのだが、妲己の目的は殷だけでなく仙人界も滅ぼす事でもあった。そこで暴走した紂王を使って聞仲を足止めし、操り人形と化した通天教主を使って魔家四将を送り込み、最終的にその魔家四将が崑崙の仙人に倒された事で金鰲に危機を煽らせ、金鰲の総力を結集しなければ崑崙は倒せないと仙人界全面戦争への道を作っていくのであった。

 

魔家四将② -悪夢のはじまり-」に続く。

 

 

封神演義 7 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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