「鄧九公・蟬玉・竜鬚虎、周に帰順する」
『封神演義』第70回
太公望「武吉なら赤外線を感知出来るから夜でも見えるのだが…」。
武吉ってロボットかヒーロー並の能力を誇っているよな……。
頑固で親バカな鄧九公。
普通はこういうキャラは娘に恋人が出来ると「私は認めんぞ!」と言うのだが、鄧九公は娘の選択を信じ、自分は娘の応援をしようと言うのが珍しい。
回想シーンで蟬玉をスカウトに来た仙人が登場している。わずか2コマの登場だが、あの蟬玉の師匠と言う事になるのだろう。どんな人物だったのか気になる。後の仙界大戦の時に蟬玉は師匠について触れていないので今は生きていないのかな? どこかで再登場してほしかったキャラだった。
「軍人になれば嫁に行かずにずっとパパの所にいられるわ」と言っておきながら土行孫と結婚するのなら周の味方になると言っちゃう蟬玉。
彼女は「最も愛しい人」を基準に動く人物なのだろう。それが昔は父で今は彼氏になったわけだ。おそらくだけど仮に土行孫がこの後に殷や金鰲側に付いたら蟬玉は「ダーリンに付いていくわ!」と言って付いていきそう。
蟬玉と違って殷で何年も生きてきた鄧九公は「はい、そうですか」と主を変えるわけにはいかない。しかし、太公望の「おぬしは紂王ただ一人のために戦っておるのか?」と言う問いに反応を示していたところを見るに鄧九公自身も今の殷と紂王に問題がある事は分かっていたのだろう。(彼は誘惑の術にかかっていないので妲己の正体も分かっていたと思われる)
この時期の妲己の目的は「殷からの人材流出」。
第67回から始まった殷周易姓革命以降の話で最後まで殷に残った人物を探してみると、王家の紂王や殷郊を除けば、韓栄、聞仲、天化を殺した兵士くらいしか出てこない。
「孤高の戦士」に続く。