「孤高の戦士」
『封神演義』第71回
十天君全員に抑えられた聞仲は「私の周りは敵ばかりになってしまった…」と呟く。
いやいや、どう考えてもアンタの交渉の仕方が悪かったよ。聞仲は黄飛虎の事を「交渉には不向き」と言っていたけれど、聞仲も負けず劣らず交渉に不向きな性格をしている。
民の不満が高まってきたのを見た妲己は自分の父を出兵させて民に同情させようと考える。とは言え、これは表向きの理由で実際は父である蘇護に殷を裏切らせて「妲己は父にも裏切られた」として周りの国や民に殷を倒す大義名分を与えるのが目的であったと考えられる。
戦いそのものを楽しむ趙公明にとって今回の妲己のような「他に目的がある戦い」はつまらないものなのだろう。そこで、蘇護が戦わずに殷を裏切る事を見抜いていた趙公明は呂岳を使って無理矢理に蘇護の軍と周の軍を戦わせようとする。
蘇護は娘の妲己を溺愛しているからこそ責任を取ろうと苦悩する。
殷の王妃の父親と言う立場になりながらも権力に溺れなかった彼の人格は素晴らしい。しかし、正気で常識人でありながら「悪女・妲己の父親」と言う立場は辛いものがあっただろう。
怪我が治った天化が一足先に太公望と合流する。
意外と天化は皆と一緒にいない事が多い。
怪我が治った哪吒と雷震子に加えて金吒と木吒も太公望の所へ派遣される。これは以前に崇黒虎が崑崙に仙道の要請をしたのを受けての事。
金吒が安定のあんちゃんぶりを見せてくれる。彼がリーダーとなってチームを率いる話も見たかった。
「virus」に続く。