翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「太子の選択・その4」 『封神演義』第80回

「太子の選択・その4」
封神演義』第80回

 

周軍と殷軍の戦いは太公望の作戦が見事に的中。
この「少ない戦力でも戦い方によって大軍に勝利出来る」と言うのは牧野の戦いでも繰り返される。(相手を包囲すると言う基本的な部分は今回の戦いも牧野の戦いも同じであった)

 

元は殷の武成王であった黄飛虎だが「こりゃマジで殷は全滅するぜ」「血が騒ぐ」「そもそも民の心は殷から離れています」と結構な言い方。しかし、後の話を見ると、今は周の武成王であると割り切る為に無理をしていたようにも見える。

 

「いくら戦上手を褒められても太公望どのは喜ばぬであろうな」と語るは黄飛虎の父。これまで太公望との接点が無かったので、ここで太公望の心情を代弁するのはちょっと意外だった。(仙道を除いて)周軍の中では年長者になるので若者達の気持ちを色々と察するようにしているのかな。(まぁ、実際は太公望と黄飛虎の父は同年代くらいだったりするんだろうけれど)

 

殷郊を庇って殺される韓栄。王太子である自分を守る為に死んだ男がいる。これが殷郊の最後の躊躇を取っ払い、「どんな手を使ってでも殷を守る」と決意させた。

 

殷洪は「自分達の宝貝は悪い仙人を倒す為の物だ」と叫ぶ。おそらく殷洪の中では「悪い妲己が皆を苦しめている。人間達は誘惑の術とかで操られているだけ」と言うシンプルな構図になっているのだろう。実際、封神計画の最初の構図はそうだった。しかし、国と言うのはそう簡単なものではなかった。
こうして見ると弟・殷洪は「未来視達のディアレクティーク」以前の太公望で、兄・殷郊は「未来視達のディアレクティーク」以後の太公望と言う見方も出来る。

 

太子の選択・その5」に続く。

 

 

封神演義 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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