「通天教主ONE」
『封神演義』第107回
聞仲が一向に姿を現さない事を不審に思った太公望は「もし聞仲が死んだのなら通天教主は殷を守る理由が無い」として崑崙と金鰲の和解を考える。元始天尊がこれに難色を示したのは既に通天教主が妲己と王天君によって抜け殻にされている事を知っていたから。ここで太公望にその事を告げなかったのは王天君の秘密をまだ明かしたくなかったからと考えられる。
それにしてもこの時の元始天尊の様子は「実は黒幕」と言われたら納得してしまうほどの怪しさであった。(自分は読んでいないけれど安能務版での所業も色々と耳にしていたし)
聞仲を探していた四聖と黒麒麟。聞仲が十天君に幽閉されたと知った四聖は「たとえ十天君を敵に回そうとも…俺たちはあの方が大好きなんですよ」と言って黒麒麟と共に十天君に会いに行く。このやりとりに聞仲が単なる敵キャラではない魅力を持っている事が伝わってくる。
又、崑崙が元始天尊、十二仙、太公望を中心にまとまっているのに対し、金鰲は十天君と聞仲の間に大きな溝がある事も分かり、これからの戦いにおいて金鰲は大きな不安要素を抱えている事も伝わってくる。
十天君を上回る力を持つ趙公明が太公望に倒された事を受けて十天君の間に動揺が走る。しかし、王天君は趙公明を上回る力を持つ聞仲を戦場に引っ張り出す案を出す。
元々、この戦いは聞仲の殷を守る為に始まったものなので、聞仲は十天君の事が嫌いだろうが何だろうが戦う以外に選択肢が無い。王天君はそれを見越して聞仲を復活させたと思われる。妲己の時もそうだったが、聞仲は妲己や王天君の考える「浅知恵」を見抜く事は出来るのだが、結局はその浅知恵を止める事が出来ず、それに乗っかるしか無い事が多く、それが最終的に聞仲を追い詰めていく事になる。
十天君が今回から本格登場。
十天君はデザインが個性的で素晴らしい。特に姚天君と金光聖母のデザインは最高!
聞仲を復活させる時の十天君の謎の儀式がなんかカワイイw
「通天教主TWO」に続く。