「仙界大戦七 -楊戩救出作戦と王天君の罠-」
『封神演義』第115回
太公望は金鰲島のバリアが解除されると、そのまま崑崙山を金鰲島に突撃させる!
これによって金鰲島は通天砲とバリアが使えなくなり、金鰲の妖怪仙人が崑崙山に潜入しても地の利によって不利になるとなり、戦いは五分となった。
楊戩の活躍があるとは言え、準備が出来ていない状態での戦争開始からよくここまで状況を押し返せたものだ。
「何より楊戩を一人ぼっちにしておきたくはないのです」。
「一人ぼっち」とは太公望にしては珍しく子供っぽい言い回し。ここは「最強道士を失うわけにはいかない」と言う司令官としての表向きの理由とは違う「太公望個人の気持ち」が出たのだと思われる。
一人目の王天君は正体を隠して十天君の一人として行動しなくてはいけないと言う制約があるので、時々、冷や汗をかいて本気で焦る場面がある。この「ギリギリの綱渡りをしている感」は二人目や三人目には見られない一人目の王天君ならではのもので、見ているとちょっと応援したくなってくる。
聞仲は今回の仙界大戦で金鰲も滅ぼすつもりだったのだが、その決意を駄目押ししたのが今回だったように思える。今回の件で王天君率いる十天君が自分の思惑通りに動かない事が確定したし、通天教主の子供である楊戩は完全に崑崙側に付いた。もはや聞仲には金鰲に拘る理由が無くなったのだ。
「十絶陣の戦い・『化血陣』・オモチャの世界①」に続く。