「太上老君をめぐる冒険2 -桃源郷-」
『封神演義』第150回
扉絵の妲己が良い!
『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』のパドメ・アミダラをイメージした和風テイストが実に素晴らしい。
太上老君を探しに出た太公望だがまだ手がかりすら何も無い状態だった。しかし、この時点での封神計画は「太上老君を含めた三大仙人が話し合って決めた」となっているので、おそらく太公望は「妲己との決着が付く前に太上老君は姿を現すはず」と言う計算があったと思われる。
「太上老君を探すのはおよしなさい」と忠告する申公豹。しかしこれは嘘で「自分は太上老君の情報を持っている」として太公望の注意を引くのが本心であった。もっともこれはすぐにバレてしまい、「寂しがり屋め…」「かまって欲しいんスね……」と太公望と四不象に言われる事になる。
しかし、申公豹の本当の目的は太公望を使って太上老君を表舞台に引っ張り出す事だったので、太公望に太上老君の居場所を教えた時点で申公豹の思惑は成功していたのだった。
申公豹曰く「太上老君は誰が説得しても表舞台に出てこない」が「太公望なら太上老君は動くかもしれない」であったが、これは「申公豹が説得しても太上老君は動かない」と言う事になるので、後に明かされる太上老君との関係を考えると、申公豹はどのような気持ちだったのか気になる。
「未来の教科書には「殷を滅ぼした周の軍師は楊戩である」……と記されるでしょう!!!」と熱く語る楊戦を見て、「あの人っていつもああなんかい?」と尋ねる韋護と「ときどきね」と答える太乙真人。
「ナルシーな楊戩」を殆どの人が見ているけれど韋護だけはそれを見ていない。しかし、「弱った楊戩」を殆どの人は見ていないけれど韋護はそれを見ていると言う関係が面白い。
楊戩と言えば「太公望の片腕」であるが、蟬玉によると「何度も主役の座を狙って目立とうと余計な事をする人物」らしい。それってある意味で「太公望にとって最悪の敵」じゃないかw
「太上老君をめぐる冒険3 -雲間に揺れて風立ち去りぬ-」に続く。