「封神台解放!!」
『封神演義』第200回
伏羲と女媧の最終決戦!
伏羲の攻撃一発には最強宝貝・雷公鞭ほどの力が込められているとなった事で戦いは伏羲と女媧二人だけのものとなり、申公豹や燃燈道人と言った他のメンバーは全て戦力外となってしまった。
強大なエネルギーを持つ女媧に対し、伏羲は太極図・戦闘形態を使って他の仙道からエネルギーを回収する事でどうにか互角に戦っていたのだが遂に力の差が表れ始める。
伏羲の戦いを見た哪吒は「決め手に欠けている」と分析。戦いにおいてはとりあえず撃って撃って撃ちまくるだった哪吒が決め手を考えるようになるとは成長したものだ。
因みに決め手に欠けている伏羲は事態をどう打開するつもりだったかだが、それは「封神台の仙道達のエネルギーも回収して力押しする」であった。
これで最後だからか、この戦いで伏羲は頭を吹っ飛ばされるわ体中に穴を開けられるわ胴体を真っ二つにされるわととんでもない事になっている。少年ジャンプ連載作品でよくここまで描けたと思う。すぐに復元する事で生々しさが少なくなったからOKが出たのかな?
女媧の攻撃で絶体絶命の太公望の前に現れたのは普賢真人であった。
第141回での十二仙特攻後の太公望と普賢真人の場面では普賢真人は太公望に背中を向けていて振り向く事が無かったが今回は振り向いている。
封神計画はあくまで女媧を倒す計画であって仙道を倒す計画ではない。なので、計画の途中でどうしても障害になる者は魂魂の形にして封神台にいてもらう事にした。つまり、封神計画とは殷周易姓革命と言う歴史の変わり目を作って女媧を誘き出す一方、強力な仲間を作り、邪魔となる者は封神台に送って女媧との決戦まで待機させておくと言うものであった。
こうして見ると、妲己とその配下の妖怪を封神台に送る、殷周易姓革命を起こす、妲己の魂魄を捕獲すると言うこれまで語られていた封神計画の内容に間違いは無かった。ただ、女媧に関する部分を最後まで隠していたのだ。
楊戩の前に玉鼎真人と通天教主が現れるが、通天教主が玉鼎真人の後ろにいる所を見ると、通天教主は自分と楊戩には血の繋がりがあるが今の楊戩があるのは玉鼎真人によるところが大きいと考えているのだろうな。劇中では描かれていないが、封神台で二人は楊戩について色々と語り合ったんだろうなぁ。
天化と黄飛虎とかも封神台の中でどんな会話をしていたのか気になる。他にも聞仲と紂王とか、聞仲と黄飛虎とか、紂王と妻と子供達とか、呂岳と馬元とか、天化と余化とか。そう言えば一人目と二人目の王天君の魂魄も封神台にいるはずなんだよな。
(追記)
「一人目と二人目の王天君は三人目の王天君に統合されたのではないか?」と言う意見を頂き、それを含めて読み返してみますと、確かに二人目の王天君は一人目の王天君が殺された時に感じた死の快楽について語っていますし、三人目の王天君も一人目と二人目の王天君の復讐の動機について語っていました。
太公望が胡喜媚によって封神された時に王天君は太公望の魂魄を自分の空間に閉じ込めていました。おそらくこれと同じようにして一人目と二人目が封神された時も魂魄を空間に閉じ込めて融合を行ったと考えられます。
一人目の王天君に比べて三人目の王天君は少し大人びた感じになっていますが、これは一人目や二人目と融合した事で生きてきた時間が増えて、その分、大人っぽくなったのかもしれません。
王天君と融合して王奕(伏羲)となった太公望。その後の彼の人格は太公望なのか伏羲なのかよく分からなかったが、おそらく女媧と接している時は伏羲、楊戩達と接している時は太公望の人格が強く出ていると考えられる。そうなると、最終決戦において楊戩や申公豹を遥かに超えるレベルとなって女媧と戦う王奕は太公望の部分が無くなり完全に伏羲となる可能性があった。そんな王奕を伏羲から太公望へと戻したのが今回の普賢真人や天化達だったように思える。
長期連載作品で最後にこれまでの登場人物が一挙に出ると「いよいよクライマックス!」と言う感じがして盛り上がる反面、終わりが見えてきてちょっと寂しくなる。
「導なき道へ…㊤」に続く。