「ブルマと孫悟空」
『DRAGON BALL』其之一
日本を代表する漫画である『DRAGON BALL』の第1話。
『DRAGON BALL』と言えばベジータやフリーザとのバトルを思い浮かべる人が多いと思うが初期は「冒険」がメインであった。
主人公の名前が「孫悟空」である事からも分かるように中国の『西遊記』を元ネタにしているが、聖人のイメージが強い三蔵法師に当たるブルマのキャラクターが「女の部分を武器にする」「本当の事を隠す」「自分の欲の為に子供を連れ出す」と俗人になっている。
山奥で喋る魚や翼竜と言った怪物や妖怪と暮らしている悟空と都会から来て車やバイクやホイポイカプセルと言った科学を使うブルマが出会い、悟空から見たらホイポイカプセルを使うブルマは妖術使いで、ブルマから見たら銃で撃っても死なない悟空は化け物であると全く違う世界で生まれ育った二人のかけあいが面白い。
悟空にとってブルマが初めて見た人間になるらしい。これには「死んだじいちゃんは人間じゃなかったの?」と言う疑問が生じる。ひょっとしたら、最初の予定ではじいちゃんも普通の人間とは違った存在だったのかもしれない。(「女は尻尾も無い」と悟空が言っているので、第1話の時点ではじいちゃんも尻尾が生えていた設定だった可能性がある)
「男だったら、いろんなとこいって修行しなくちゃ!」。
ブルマは軽い気持ちで言ったのだろうが、この言葉が今後の悟空の人生を大きく変える事になる。(ブルマと出会う前の悟空はじいちゃんの家から離れると言う発想が無かった)
見返して気付いたのだが、「乗り物に乗る悟空」と言うかなり珍しい絵が第1話のクライマックスだったんだな。
第1話の扉絵だが、よく見たら主人公の悟空の顔もヒロインのブルマの顔も見えない構図になっている。少年漫画の第1話の扉絵で主人公やヒロインではなく乗っているバイクを中心にした構図は斬新。
「球がない!!」に続く。