『ドラゴンボール 魔神城のねむり姫』
1987年7月18日公開
『DRAGON BALL』の劇場版2作目。
『神龍の伝説』の続編で今回は悟空の大猿化と亀仙人の修行編を再構成して魔神城のねむり姫を巡る話を追加している。
今回の敵はルシフェル。『DRAGON BALL』では珍しく西洋の悪魔を元ネタにした敵キャラクターであるが、本作の公開時にTVシリーズでは「占いババ編」を展開していて、こちらでも吸血鬼・透明人間・ミイラ・悪魔・死者と言った海外のモンスターが元ネタの敵キャラクターが登場している。
『DRAGON BALL』には珍しいホラーで終末的な雰囲気の作品だが、初期の「ドラゴンボール探し編」が『西遊記』の妖怪を元ネタにした敵キャラクターが登場していたのでモンスターが出てくると自分は「昔の『DRAGON BALL』っぽいなぁ」と感じるところがある。
布が硬くなって色々なものを貫いたり炎の塊に乗って空を飛んだりとガステルの能力が面白い。
悟空が大猿になるのは原作と同じだが本作ではモンスターと人間の戦いと思わせて実は主人公の孫悟空が最強のモンスターだったと言うどんでん返しになっていて原作以上にしっくりくる感じになっている。
本作のヤムチャの服がオシャレで結構好き。
原作ではクリリンと悟空は長い修行の中で段々と仲が良くなっていった感じだったが本作ではクリリンの改心がかなり分かりやすくなっている。
悟空とクリリンが一緒に戦うのは無印の頃は実は意外と珍しかったりする。
「ねむり姫」の正体は意外性があって面白かった。
そう言えば原作では月が消えるのに対して本作は太陽を消そうと言う話になっているのだな。
亀仙人「ええのう! さすがはねむり姫! 噂に違わぬ美しさじゃ!」、
ランチ「あのぉ~。私、ランチですけど……」、
亀仙人「ほほぉ! これまた美味そうな!」。
さり気に凄い事言っているな……。
モンスターと超科学を合わせて終末的な雰囲気を作ると言うのが80年代っぽいなぁと思った。何となく。
『ドラゴンボールZ』でピッコロが悟飯を庇う場面で有名なあのBGMは実は本作のものだったりする。