「駆けろ! 孫悟空」
『DRAGON BALL』其之百十二
神龍が消える瞬間に四星球を見付けて掴む悟空。石コロに戻ってしまったが、それでも悟空にとっては悟飯じいちゃんの形見。これで悟空は今回の冒険の目的であった「じいちゃんの形見のドラゴンボールを手に入れる」を見事に達成するのであった。
「神龍が消えてドラゴンボールが飛び散る前にキャッチすれば一年後に探さなくても良い」と言う発想が出来たのは悟空が神龍の出現を一度見ていたからであろう。ブルマがドラゴンレーダーを開発する前はドラゴンボールを二回以上集められた人物はおらず、このような発想をする人物もいなかったと思われる。
「孫悟空は神の子のようだ」。
さすがにこの時点でそこまで想定はしていなかったと思うが、この後、悟空は神様の後継者に選ばれたり神の気を使う超サイヤ人ゴッドになったりと神と深く関わるようになる。
次の天下一武道会を目指してヤムチャは武天老師のもとで基本から鍛え直す事になる。一方、悟空はこれ以上武天老師のもとで修行を受けても仕方が無いと言われて世界中を旅する事になる。
亀仙人のヤムチャと悟空への修行内容の違いから二人の現在の実力差が分かる。残念ながらこの実力差は埋まる事は無かったが、ここで亀仙人から鍛え直された事でヤムチャは常人を超えるレベルの強さへと足を踏み入れる事となる。
亀仙人と言えば最初の修行の時に言った「武道を学ぶことによって心身ともに健康となり、それによって生まれた余裕で人生をおもしろおかしくはりきって過ごしてしまおう。ただし、不当な力で自分もしくは正しい人々をおびやかそうという敵にはズゴーンといっぱつかましたれ」が有名だが今回の話で悟空に向けて言った「世の中はひろいんじゃ。さらにとんでもないことがまちうけておるやもしれん…。おまえには未知の可能性がある! より強うなってこのわしを驚かせてくれ!」も『DRAGON BALL』にとって大事な精神だと言える。
「ブルマはこんどあったらおとなしくなってるかなあ」。
悟空が「大人しい」と言う言葉を知っているのにちょっと驚いた。
3年後に会った時には悟空の背丈を抜いてやると宣言するクリリン。
この二人の身長対決はここから6年後に驚くべき決着を見る事になる。
亀仙人に筋斗雲の使用を禁じられた悟空は自分の足で世界中を旅する事に。これによって悟空は高速での長距離移動が出来なくなってブルマや亀仙人と簡単に会えなくなり、再会の場となる3年後の天下一武道会への期待がさらに膨らむ事となった。
「第22回天下一武道会」に続く。