「ヤムチャ破れる!!」
『DRAGON BALL』其之百十八
前回と今回のヤムチャと天津飯の戦いだが、舌戦を繰り広げた二人は実際に戦うとお互いに相手の実力が想像以上だった事に気付く。
ここでヤムチャは狼牙風風拳を強化させた「新狼牙風風拳」を繰り出すが天津飯との攻防で競り負けてしまう。
打撃の攻防で押されたヤムチャは起死回生としてとっておきのかめはめ波を出すが天津飯に跳ね返されてしまい、狼狽えた隙に一撃を受けて負けてしまった。
亀仙流は相手を倒す事より己に負けない事を目的としているので亀仙人の修行も体作りが基本でかめはめ波のような技を教える事は無かった。
ヤムチャのかめはめ波を天津飯は印のようなものを結んで跳ね返したが、おそらくこれは鶴仙人が開発した対かめはめ波用の技であったと思われる。
亀仙人は悟空達に鶴仙流の事を教えていなかったのでおそらくは鶴仙流と戦うつもりは無かったと思われるが、一方の鶴仙人はこの天下一武道会で亀仙流と戦うつもりだったと思われ、今回のかめはめ波返しのように対亀仙流の準備を済ませていた可能性がある。
今回の試合は一見するとヤムチャと天津飯に圧倒的な力量の差は無さそうであるが、打撃が得意なヤムチャが新狼牙風風拳を使いながら競り負け、気を使った技が多い天津飯に気を使った技を一つも出させていないので、実は「とっておきまで出して負けたヤムチャ」と「引き出しをまだ全然開けていない天津飯」とでかなりの差があった試合であった。
鶴仙人も天津飯も今回の試合で鶴仙流と亀仙流の優劣は決したと考えるが、実は二人が亀仙人の弟子で最強だろうと思っていたヤムチャは亀仙流に入門して一番日が浅い人物であった。この見通しの過ちにより「天津飯が優勝で餃子が準優勝」と言う鶴仙流の思惑は崩れるのであった。
負けてしまったヤムチャだがかめはめ波を自分なりに習得したのには驚いた。ヤムチャは後に繰気弾と言う神様も驚く技を開発したりと実は気を操る才能があるのかなと思われるところがある。
「満月の恨み」に続く。