「排球拳と戦闘パワー」
『DRAGON BALL』其之百二十九
天津飯では珍しいギャグシーンである排球拳。
この後はピッコロ大魔王編が始まるので魔人ブウ編が始まるまでギャグを入れた戦いは少なくなる。
天津飯の実力を知った悟空は試合用のパワーから戦闘用のパワーへと切り替える事にする。
悟空はクリリンとの試合で「手抜きはしない」と言っていたので天津飯との試合で「初めて力を満足に出す」となるとクリリンとの試合は実は全力ではなかったのかと言う疑問が生じてしまう。おそらくその疑問を生じさせない為にこれまでは「試合用のパワー」でこれからは相手を死なせる恐れもある「戦闘用のパワー」と使い分けをしたのだろう。悟空はクリリンと殺し合いをしたいわけではなかったのだ。
悟空は魔人ブウ編でも魔人ベジータとの戦いで「最高の力で戦う」としていながら実は超サイヤ人3を隠していた事がある。悟空はもしもの為に超サイヤ人3はとっておいたと弁明するが、超サイヤ人3はエネルギーの消費がメチャクチャ激しいので実はかなり使いにくい形態だったりする。(実際、超サイヤ人3の戦績は意外と良くない) なので、超サイヤ人3は火力の強さは一番だが実は超サイヤ人2の方がバランスが良くて戦いやすいので悟空は魔人ベジータとの戦いで超サイヤ人2を選んだのかなと思う。
悟空の強さを目の当たりにした天津飯は「う、うれしいぜ……! おまえのようなやつがいたなんてな…。このオレがわくわくするなんてな…! こんなことははじめてだぜ……!!」と語る。
天津飯はこの時点で師匠である鶴仙人を超えているので自分と良い試合ができる実力者がいなかったのかもしれない。それがヤムチャやジャッキー・チュンや悟空と言った自分と戦える相手と出会えた事で天津飯は相手を殺すかどうかより自分と近い実力を持つ者との一進一退の攻防に喜びを感じていくようになった。この天津飯は実は悟空に近いところがある。
「天津飯あせる!」に続く。