「孫悟空 勝つ!!」
『DRAGON BALL』其之百六十一
扉絵の力無く座り込んでいるけれど笑顔でピースをしている悟空が好き。
今回のピッコロ大魔王編はタンバリンやピッコロ大魔王と言った魔族達に悟空達が険しい表情で対峙する扉絵が多かっただけに決着が付いてホッとした感じの今回の扉絵は効果的だった。
悟空がピッコロ大魔王を貫く場面は一コマで決着を示した名シーンであった。
ピッコロ大魔王を倒して「勝ったぞー!!」と嬉し涙を流す悟空。
天下一武道会は負けても「相手が強かった」「修行してもっと強くなって次の大会で頑張ろう」と言えるのだが今回のピッコロ大魔王戦は「この戦いに勝たないといけない」と言う状況で負けが許されなかった。ところどころの発言にも垣間見えていたが今回の悟空は相当に気を張り詰めて戦っていたと思う。
自身の敗北を悟ったピッコロ大魔王は「見事というしかないな…」と勝者の悟空を賞賛する。
『DRAGON BALL』の敵は桃白白やフリーザやセルと言ったように意外と往生際が悪いのが多いので、ここで自分を倒した相手を認める事が出来るピッコロ大魔王はさすが魔族の頂点に立つ器の大きさを見せた。
自身の敗北は認めたピッコロ大魔王だが「このまま魔族が消えてなくなるとおもうな」と呟くと最後の力で卵を産んで我が子に悟空打倒を託す。
その後、悟空は神様の修行を受ける事になり、悟空とピッコロの戦いは神と大魔王の代理戦争の形を取る事になる。
ピッコロ大魔王とは戦わないと言っていながら力尽きて地上に落下する悟空を助けに来たヤジロベー。
悟空がカリン塔からキングキャッスルまで筋斗雲で全速力で飛んで行った事を考えるとヤジロベーは何だかんだ言いながらすぐに悟空の後を追ってキングキャッスルにやって来ていた事が分かる。
この「無責任で面倒くさがりだけれど何だかんだ言いながら助けにいく」と言うヤジロベーのキャラはサイヤ人編でも出てくる事になるが人造人間編からはミスター・サタンがその役を担うようになってきたところがある。
ヤムチャやランチと一緒にブルマも銃を持ってキングキャッスルへ。
実際に戦う事は無かったがブルマが武器を持って戦いの現場に来るのはかなり珍しい。
ピッコロ大魔王に勝った悟空との力の差を実感した天津飯はもっと真剣に修行に励む事を決意する。
アニオリであるがセルとの決戦時に天津飯は「俺は悟空を目標にして武道家の道を歩んできた。今の俺があるのは悟空のおかげなのだ」と心の中で語っている。
レッドリボン軍との決戦に続いて今回も決戦に加われなかったヤムチャ。
段々とヤムチャは戦力外になっていくがこういうところで戦闘経験を積めなかったのが響いたのかなと思う。
ブルマがテレビ局にピッコロ大魔王が倒された事を伝えたところの「やっつけたの! ……だれが…って…正義の味方にきまってんじゃない! じゃね~」が好き。
「かくして世はたった一人の少年が悪の手から救い出した……」。
そう言えばこのナレーションが出来るタイミングって原作だと今回のみなのか。
この後の話だと悟空は大人になって「少年」ではなくなるし、少年時代の悟飯が世界を救ったセル戦は親子かめはめ波があるので「たった一人の少年」と言う感じではなかったし。その後は大人達が決着を担うようになるし。
最初は武天老師のような老人の姿で登場したピッコロ大魔王が若返って最後は悟空と同じ小さい子供に生まれ変わるとして「武天老師の若い頃の脅威」から「悟空のライバル」へと変わっていくのが上手かった。
「如意棒の秘密」に続く。