翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「神様登場」 『DRAGON BALL』其之百六十四

「神様登場」
DRAGON BALL』其之百六十四

 

ピッコロ大魔王を倒した悟空は自分が一番強いと思って世の中には上には上がいる事を忘れてしまった。
かつて武天老師ジャッキー・チュンに変装して天下一武道会に出場した理由がこれであった。これまでの話では悟空がそういう慢心をするとは思えなかったが今回の話で悟空と言えども慢心する事が分かった。最初の時点で悟空が強さで慢心しないようにと色々頑張った武天老師の素晴らしさが改めて分かった。

 

ピッコロ大魔王に勝った悟空を軽くあしらったミスター・ポポはピッコロ大魔王より強いのかどうかだが、ミスター・ポポは「悟空は凄いパワーがあるが活かせていない」「精神も技術も駄目」と言っているので、パワーは悟空やピッコロ大魔王より低いがそれを上手く活かす精神と技術を持っていると言った感じかな。

 

神殿で修行する事になった悟空だが物凄く高い空にある神殿は空気が薄くてあっという間にバテてしまった。
ここから悟空は界王星や精神と時の部屋と言った地上より厳しい環境で修行をする事が多くなる。

 

目だけでものを見ようとするとミスター・ポポの動きは見えないとしてミスター・ポポは気配やわずかな空気の動きを見るのではなく感じる事が大事だと告げる。
おそらくこの技術を極めたのがこの後に本格的に登場する「気を探る」「気を読む」になるのだと思われる。これ以降、悟空達の戦いは目で追えるレベルではなくなり気を読む技術が重要となる。

 

ミスター・ポポの「空のように静かに構えて雷よりも素早く動く」を極限まで極めると『超』に登場する「身勝手の極意」になるのかな?

 

悟空が受けた修行だが、亀仙人は基礎的な体作りをして、カリン様は相手の動きを読む事を教えて、今回のミスター・ポポは無駄な動きをしない事と相手の気を読む事を教えるとなっている。

 

ミスター・ポポは神様から色々な事を教わったらしい。と言う事は今の神様と出会う前のミスター・ポポは「空のように静かに構えて雷よりも素早く動く」がまだ出来なかったのかな?

 

神様がピッコロ大魔王と元々は一つだったと言う設定は驚いた。自分がこの辺りの『DRAGON BALL』を読んだのは小学生の頃であったが、この設定を読んだ事で自分の中に「神と悪魔が元は同一」と言うイメージが根付いて以降の宗教観にもちょっと影響があったと思う。子供の頃に読んだ漫画やアニメを見返すと幼い頃に見た作品がその後の考え方に大きな影響を与えている事が分かる。

 

「武道家を見ると殺したくなる」と言っていたピッコロ大魔王の元を辿ると一人の天才武道家に行き着くと言うのが興味深い。

 

今回の話で触れられた「先代の神」について原作ではこれより深く語られる事は無かったがアニメでは後にガーリックJr.のエピソードで再び触れられる事になる。

 

ドラゴンボールは神様に作られた事が明らかになるが、神様でさえ不可能な死者の復活をドラゴンボールは可能と言うのは不思議な話だなぁと思う。

 

神龍を生き返らせると言う悟空の願いを聞き入れた神様だが自分への頼みは今回限りの特別と思ってほしいと告げ、その理由について「いざとなれば神がいる…などと心のどこかでたよってしまうようではこまる…。やはり世界はじぶんたちの力だけで切り開くしかあるまい。もしもの場合、ただひとつのチャンスとしてドラゴンボールがあるではないか」と答える。
次の話で神様は地上の者達の勇気と希望の為にとドラゴンボールを作ったが皆ロクな事に使わなかったので神龍を死んだままにしておこうと考えていた事が明かされる。人知を超えた奇跡の持ち主の存在を知った人間がどのようになるのか分かったからこそ神様は地上とあまり関わらないようになったのかな。(カリン様が亀仙人に如意棒を貸してこの世と神殿の繋がりが無くなったのを止めなかったのもこれが理由だったのかもしれない)

 

神龍復活!!」に続く。