「時をかける悟空」
アニメ『DRAGON BALL』第129話
1988年10月12日放送
ミシンで悟空の新しい道着を作ってくれたミスター・ポポ。
大人になった悟空は第23回天下一武道会に出場する時に自分で道着を用意していたのだが、ひょっとしたらミスター・ポポに作ってもらったものだったのかもしれない。
前回までは神殿には不似合いな謎の機械で悟空は様々な場所に送られていたが今回は神殿にある時計がたくさん描かれている「時の部屋」が使われている。
ミスター・ポポの説明によると「時の部屋」とは「過去・現在・未来のあらゆる時間が作られている場所」との事。
この「神殿には時間の流れが地上とは違う部屋がある」と言うのは後の「精神と時の部屋」を思わせるところがある。
今回は亀仙人と鶴仙人の過去編でもある。
亀仙人と鶴仙人は原作では坊主頭だがアニメでは髪があってサングラスをかけている。しかし、ピッコロ大魔王の魔族と戦う場面では原作に合わせて二人とも坊主頭でサングラスもかけていない。
今回は亀仙人役の宮内幸平さんと鶴仙人役の永井一郎さんが若い頃の声も担当しているのでこの頃の二人にはとても珍しい10代の若者演技を聞く事が出来る。
武泰斗は指先で触れただけで悟空を吹き飛ばした理由を「気の力」だとして「気とは人間の根源的なエネルギー。修行次第でその力を自在に操る事が出来るようになる」と説明する。
『DRAGON BALL』では原作でもアニメでも「体内の潜在エネルギー」「力(リキ)」「妖気」「気」と言った用語が出ていたがこの辺りから「気」で統一されていく事になる。
「武泰斗が敵わなかったピッコロ大魔王に勝った悟空より武泰斗の方が強いと言うのはおかしい」と言われる今回の話だが若い頃の亀仙人が「自分は18歳」と言っているので今回の舞台となった年代はエイジ448と考えられる。ピッコロ大魔王が現れて武泰斗が戦いを挑むも負けてしまうのはこれから20年以上先の話なので、ひょっとしたらピッコロ大魔王と戦った時の武泰斗は老いて力が弱くなっていたのかもしれない。
今回のゲストであるファンファンは性格は真逆だがキャラデザはバイオレット大佐と殆ど同じ。せめて髪の色は変えてほしかった。
悟空の攻撃を受けた時の鶴仙人の「父ちゃんにも殴られた事無かったのに」は永井一郎さんがナレーションを務めた『機動戦士ガンダム』のパロディかな。
自分が好きなファンファンを悟空に取られたと思った鶴仙人は激高して悟空に襲いかかる。これはアニオリで自分の弟・桃白白を悟空に殺されたと知った時に激高して悟空を暗殺しようとしたのを思い出す。
又、鶴仙人は悟空に勝てないと分かるとファンファンを人質にして悟空を動けなくしてから倒そうとした。これも第22回天下一武道会で天津飯が悟空に勝てないと分かったら超能力で悟空を動けなくしてから倒そうとしたのを思い出す。
悪事がバレた鶴仙人は武泰斗から「このまま去るか一からやり直すかお前の自由だ」と言われる。
この後の鶴仙人は亀仙人と一緒にピッコロ大魔王の魔族と戦っているのでどうやらここで心を入れ替えて修行を頑張ったらしい。しかし、絶対的な強者であった武泰斗が悪のピッコロ大魔王に負けた事で鶴仙人は再び悪の道に堕ちてしまう事になる。
どうやらこの頃の亀仙人は鶴仙人より弱いようだ。
カリン様の修行を受けた亀仙人とカリン様の修行を受けていない鶴仙人や桃白白の強さが近い事がちょっと不思議だったのだが、実は最初は鶴仙人の方が圧倒的に強くて亀仙人はカリン様の修行を受けた事でその差を埋める事が出来た感じなのかな。(ひょっとしたらこれは今回の現代パートで天津飯達が悟空との力の差を埋める為にカリン様に会う事を決断する場面と繋がっているのかもしれない)
「悟空の敵は・・悟空!?」に続く。