「ふたつの弱点」
『DRAGON BALL』其之百七十九
『DRAGON BALL』は序盤から「常人を超えたスピード」が出てきて、そんなスピードを捉える事が出来る「目の良さ」も重視されていた。その為、「残像が見えるほどのスピード」「残像すら残らないスピード」と速さのインフレが進んでいく一方で「残像を見抜く目の良さ」「残像すら残らないスピードを捉える目の良さ」と目の良さのインフレもどんどん進んでいった。
今回の試合でも動きの速さと共にそれを捉える目の良さも重視されていた。その究極の形が12の目で相手の動きを捉える天津飯の四身の拳であった。
しかし、最後に悟空は太陽拳を使って目だけで相手の動きを捉える事の弱点を突き、自分は目で直接見なくても背後の天津飯が右手の手刀で狙っている事を見抜いて目で見る以外に相手を捉える方法を提示した。もちろんこれは悟空がミスター・ポポから教えられたもので、次のサイヤ人編では全員がこの技術を身に付けるようになる。
今回の悟空ってなんだか楽しそうに戦っていたなぁと感じた。
因縁とか世界の命運とか言うものが無くて純粋にお互いの技量をぶつけ合うと言うのが良かったのかな。実力は悟空の方が圧倒的に上になっているが、四身の拳のような驚きの技を見てその攻略法を色々考えたりするのが楽しかったのかもしれない。
個人的なイメージだが、『DRAGON BALL』は段々と超高速での打撃と距離を取っての気弾の連射が戦いのメインになっていくが実は悟空は今回の天津飯戦のように頭を使って相手の技の攻略を考える方が好きなんじゃないかなと思う。
「ピッコロ大魔王対神様」に続く。