「ピッコロ大魔王対神様」
『DRAGON BALL』其之百八十
個人的に「トーナメントの準決勝の主人公が戦わない方の試合」が好き。『DRAGON BALL』だとクリリン対ジャッキー・チュンやジャッキー・チュン対天津飯や今回の神様対ピッコロ、『キン肉マン』だとラーメンマン対ウォーズマンや2000万パワーズ対ヘル・ミッショネルズや超人血盟軍対フェニックス・チーム等々。主人公以外の人物がその大会のラスボスポジションの存在を追いつめる展開にワクワクするのかな。
前回の天下一武道会ではヤムチャ相手に気弾系の技を出さずに勝った天津飯が今回は悟空にかめはめ波を使われずに負けてしまう。一見すると良い勝負のように見えて実は悟空と天津飯の力の差はかなりあった。確かにこれは天津飯のプライドが傷付くよな。
神様が人間の体を借りて下界にやって来たのは神様とピッコロ大魔王の事情を知った悟空にピッコロを倒す事は出来なくなったと考えてであった。
ミスター・ポポが悟空に事情をどこまで話したのかを神様は推測しながら話をしているところを見ると、どうやらミスター・ポポは神様に内緒で悟空に事情を話してしまったようだ。おそらくその理由は悟空が弁明した「ミスター・ポポは神様の事が心配なんだ」であろう。
神様は悟空の修行は殆どミスター・ポポに任せていて現在の悟空の実力も今一つ定かではないとの事。随分と無責任だなと思うが、最初の頃は悟空の修行の様子を見ていたので、ひょっとしたら、悟空が神様とピッコロ大魔王の事情を知ってピッコロを倒せなくなったところで神様は悟空を鍛えてピッコロを倒す作戦から自分自身でケジメを付ける方へと変わったのかもしれない。
この後に神様と戦ったピッコロは「神は修行を怠けていた」と言っているので、神様はこの3年間で自身の肉体や技を鍛える修行はあまりしていなかったと思われる。ひょっとしたら、神様はこの3年間でピッコロ相手に魔封波をかけても命を落とさないようにする修行をしていたのかもしれない。(神様の発言から魔封波で命を落とすのは神の自殺行為として選べなかっただろうし)
試合前にシェンと何を話していたのかとクリリンに尋ねられた悟空は「武道会がぶじおわったら話すよ。ぶじにな……」と答える。こういう対応は子供の頃の悟空には見られなかった。言うべきタイミングを考える事が出来たのは大人になったと言えるが、この大事な事を秘密にする対応は後にセルゲーム時の悟飯への期待や魔人ベジータ戦での超サイヤ人3の扱い等で上手く行かない事もあった。
神様は不思議な印を結ぶと直接触れずにピッコロを吹き飛ばす。
ピッコロは一回戦の第2試合で悟空がチチを直接触れずに吹き飛ばした技を見て「我々魔族の技に近い」と言っていたが、あの悟空の技を極めると今回の神様のような感じになるのかな。(おそらく魔族=ピッコロ大魔王=神様だと思われる)
そう言えばシェンはヤムチャとの試合では相手に直接触れる打撃技しか使っていなかった。正体がバレないように魔族に近い技は使っていなかったのかな。
「神の誤算」に続く。