「社長令嬢誘拐事件」
アニメ『名探偵コナン』第2話
1996年1月15日放送
原作の第2話「小さくなった名探偵」と第3話「仲間はずれの名探偵」と第4話「6本目の煙突」と第5話「もう一人の犯人」と第10話「割のいい尾行」をアニメ化した話。
原作ではトロピカルランドで保護された少年新一が医務室に連れて行かれて事情を説明する場面があるがアニメではカットされている。まぁ、新一少年と警官数人がトロピカルランドで長い時間会話をしていたとなると、この後の話でコナンを見てあの時の少年と似ていると気付く人が出てくるかもしれないので、警官達との会話を大幅カットしたのは正しかったかな。
どうして新一は阿笠博士のお尻のホクロから毛が一本出ている事を知っていたのだろうか……?
黒幕疑惑のある阿笠博士だが、もし本当に彼が黒ずくめの組織のボスだったら、この時点で新一少年をさらってしまえば良いので、実は組織の関係者だったと言う事は無いと思われる。
蘭はコナンに自分が新一の事が好きな事を教えてしまう。
「「新一には内緒」と言う条件の話を新一本人に喋ってしまった」と言うシチュエーションは本作ならでは。第1話は意地悪で自信たっぷりでいざと言う時に頼りになる主人公とその幼馴染みのヒロインと言う王道のラブコメ設定であったが今回の話では「主人公が薬で小さくなって別人になったのでヒロインの本心を聞く事が出来た」と言う本作でしか成立しないラブコメを見せてくれた。
この頃は「迷探偵」として評判が良くなかった小五郎に娘の誘拐事件の解決を依頼した谷社長。犯人からの要求に「警察に知らせるな」があったので、今は警察ではない小五郎を頼ったのかな。
原作でも新一が子供になった為に事件の事情聴取が出来ないと言う不都合が描かれているがアニメではそれに加えて子供になって背が縮んでしまったので大人達が持っている写真を見る事が出来ないと言う描写が追加されている。
アニオリで「コナンが番犬のジャンボに気に入られる」と言う場面が追加されていて、クライマックスで晶子を探す為にコナンとジャンボが協力する展開がスムーズになっている。
原作は犯人に撃退されたジャンボが晶子の靴を持って屋敷に帰ってきたのを見て小五郎達が犯人の居場所に辿り着くと言う展開だったがアニメはコナンがジャンボと一緒に屋敷を飛び出した瞬間に小五郎はジャンボが晶子の居場所を見付けるかもしれないと考えて後を追う展開になっている。
原作4話分をアニメ1話に纏める為に展開をスリムにしたのだと思われるが、結果として小五郎はこの時点でコナンがいち早く犯人と晶子の居場所を見付けるかもしれないと感じた描写になっている。
「小さい子供が大人顔負けの活躍をする」が『名探偵コナン』の魅力の一つだが、自分は今回の話のようにゲストを子供にしてコナンをヒーローのように描く話も好きなので、ゲストが子供の回がもう少しあっても良かったかなと思っている。
今回の話では子供になった為に推理を披露しても信じてもらえず、子供の足では長距離の移動が難しく、犯人と遭遇しても捕まえる事が出来ないと新一が子供になった事のデメリットが色々と描かれた。これらの問題を解決する為に後の話で腕時計型麻酔銃と蝶ネクタイ型変声機、ターボエンジン付きスケートボード、キック力増強シューズ等が阿笠博士によって開発される事になる。
今回の話では金属バットを持った犯人を素手で制圧した蘭の強さが印象に残ったが、実は第1話の新一は推理力だけでなく身体能力でも蘭の蹴りを避けられるレベル(原作だとスカートを覗いた後に一撃を食らう場面が無いので蘭の攻撃を全て避けている)と全てにおいて蘭を上回っていた事が示されている。
原作では今回の事件で蘭に助けられた事について新一は「女の子に助けられるなんて立場があべこべだ」と悔やんでいるので、本来なら新一は推理力だけでなく身体能力でも蘭を上回って常に蘭を守護する存在でいたいと考えていた事が分かる。
作品において「関係の変化」はドラマを生むきっかけになり、『名探偵コナン』でも新一に守られる存在であった蘭がコナンを守る存在になる事で「頼れるお姉さん」へと変わっていき、一方で新一はコナンの状態でも蘭を守れるようになりたいと思うようになる等、新一がコナンになって蘭との関係が変わった事で様々なドラマが生まれる事となった。
コナンがやって来た日に依頼が来て事件がスムーズに解決したので縁起を担いで小五郎がコナンを預かる事を決めるのは原作と同じだが、アニメでは「こいつは福の神かもしれん」「しばらくと言わず俺の息子になれ」と言う小五郎の台詞が追加されている。
自分はコナンと小五郎の疑似親子が好きなので「俺の息子になれ」は思わずニヤけてしまう。
因みに探偵事務所に事件を呼び込んだコナンを小五郎は「福の神」と評したが後に目暮警部は殺人事件に関わりまくるコナンを「死神」と評する事になる。