「カラオケボックス殺人事件」
アニメ『名探偵コナン』第42話
1996年12月16日放送
原作の第45話「カラオケ殺人!」と第46話「自殺か他殺か?」と第47話「歌に秘められた謎…」と第48話「すれちがい…」をアニメ化した話。
原作では今回の事件がクリスマスの話だと分かるのは後半だがアニメでは冒頭からクリスマスの話題になっている。
達也の振る舞いが不快だったのはお酒を飲んで酔っていたからとなっていて原作では達也が酔っている事を強調していたのだがアニメでは酔っていた感じになっていなかったのが残念。あれでは素面状態で子供に不快な振る舞いを見せたとなってしまう。
アニメでは目暮警部の取り調べの場面がかなり省略されているが、その結果、目暮警部の強引な推理の場面も少なくなった。
いや、もう、原作目暮警部の捜査が酷すぎて、以前に「小五郎のせいで殆どの事件が迷宮入りになった」と愚痴っていたが今回の原作での醜態を見ていると目暮警部の責任もかなり大きかったと思う。そう考えると新一と組むようになってからの目暮警部は担当した事件の解決率がグッと上がったはずなので、そりゃ新一を贔屓にするよなと納得してしまった。
「戻ってきたんだ、彼が! 蘭君のよく知ってる名探偵…工藤新一がな!!」。
「プロサッカー選手脅迫事件」は表沙汰になっていない事件なので、警察も関わった事件に新一が復帰するのはこれが初で良いのかな。
目暮警部の台詞が満を持しての新一復活を盛り上げてくれるのだが、原作では強引な推理をした目暮警部が記者会見をして事件の幕引きをしようとしていたのでそれを阻止するには工藤新一の名前を使うしかなかったと言う状況だったのに対してアニメではまだ容疑者への事情聴取の段階だったので、これなら新一の名前を使わずに園子を眠らせて推理しても良かったのではないかと思える。
久し振りの新一と蘭の再会。
電気が消えた新一の家での再会場面は原作では蘭の表情がハッキリと描かれていたのにアニメでは涙ぐむ蘭の目だけを描くと言う中々思い切った演出になっていた。
今回の犯人は「愛する人のそばにいる為に顔を変えた」となっていて「姿と名前を変えて愛する人のそばにいるコナン」に通じるところもあるがコナンが黒ずくめの組織の薬による不可抗力なのに対して今回の犯人は「愛する人に相応しい存在になる為に自ら整形を選択した」と真逆になっている。
今回の達也と麻理の悲劇の原因は「コミュニケーションの失敗」であろう。麻理は達也の気持ちを聞かずに整形して彼の好意を失ってしまい、一方の達也も真意を明かさなかった為に彼女からの憎しみを買ってしまった。
さすがに達也ほどではないが新一も素直になれない男である。一歩間違ったら今回の達也と麻理のように新一と蘭の関係が破綻する恐れは十分にある。だから今回の事件の真相を知った新一は「オレは蘭に会えてうれしかったぜ…」と素直な気持ちを蘭に告げるのであった。(その後に「お前のマヌケ面が見れて」と付け加えちゃうが)