「江戸川コナン誘拐事件」
アニメ『名探偵コナン』第43話
1997年1月13日放送
原作の第49話「見知らぬ訪問者。」と第50話「脱出そして追跡。」と第51話「仮面の下の真実」をアニメ化した話。
原作のサブタイトルに珍しく句点「。」が付けられている。
あまりサブタイトルに付けられるものではないのだが何か意味があったのかな?
江戸川コナンに関する設定がかなりガバガバなのが気になる話。
最初の「コナンの両親が事故で入院したので親戚の阿笠博士が世話を頼まれたのだが大変だったので蘭に託された」はまだギリギリ分かるとして、その後の「しばらく経ったらコナンの両親は退院したが急に海外への転勤が決まったのでコナンを置いて出発した」辺りから無理が出てきた。そして「預けてから数週間経ったのにコナンの両親は一度もコナンや毛利家に顔を見せず連絡もよこさない」となると明らかに異常事態で、小五郎がコナンは両親に捨てられたも同然だと考えて阿笠博士にコナンの両親の連絡先を聞いた方が良いと発言するのも当然である。
今回に限らず「新一が生きている事が黒ずくめの組織にバレない為に江戸川コナンとして生活する」となっているのに新一は江戸川コナンに関する設定を全然考えておらず、蘭や小五郎に怪しまれたらその場で適当に誤魔化すを繰り返している。なので、本気で江戸川コナンについて調べられると違和感や矛盾点がボロボロ出てあっという間にただの子供ではないと怪しまれる事になる。
コナンの母親が来たので蘭はコナンを江戸川文代に引き渡す。
意外とあっさりとコナンと別れられたなぁと思ったが、そう言えば蘭も7歳の頃から母親と離れて暮らしているので、コナンが母親と暮らす事が出来るのなら自分は身を引いた方が良いと判断したと思われる。(なのでコナンが再び母親と離れて蘭と暮らすには「蘭と暮らすのがコナンの意思」である事を蘭に向けてちゃんと示さなければならなかった)
前回の「カラオケボックス殺人事件」を工藤新一として解決してしまったので、それを受けて今回の話で黒ずくめの組織が動き出したかもしれないとしたのは納得の流れ。
実際は違ったわけだが、いくら目暮警部に口止めをしても事件に関わった人全員の口を完全に塞ぐ事は難しいので、前回の事件をきっかけに新一の生存が表に出て黒ずくめの組織が新一抹殺に動き出すと言うのは十分にあり得る状況だった。
前回の「カラオケボックス殺人事件」は原作だと目暮警部の早とちりで事件の真相が闇に葬られる恐れがあったのでコナンは新一の存在を使って記者会見を止めるしかなかったのだが、アニメではまだ事情聴取の段階でコナンが新一を使ってしまったので、ちょっと判断をミスったところがあって、今回の事件で新一が漏らした「みんなオレのせいじゃねーか」がより合う感じになっている。
ホテルの通路で逃げ場が無くなったコナンはたまたま開いたドアに飛び込み、そこにいた子供に「私は宇宙からやって来た宇宙探偵コナンだ!」と言って切り抜ける。
ここで「宇宙探偵」と言う発想が出てきたのは少年探偵団と過ごしてきたからだと思われる。
新一の両親である工藤優作と工藤有希子が登場。
優作の声は当初はルパン三世の山田康雄さんが希望されていたらしい。有希子の元ネタが峰不二子なので『ルパン三世』の主人公とヒロインの組み合わせでいきたかったのかな。そう考えると優作が口にした「インターポールの友人」は銭形警部をイメージしていたのかもしれない。
山田康雄さんが『名探偵コナン』のアニメ放送前に亡くなられたので優作の声は田中秀幸さんになったが、これによって小五郎役の神谷明さんとで『シティーハンター』初期のコンビが再現される形となった。
一時期は「優作が黒ずくめの組織のボスではないか?」と言われていた。確かに『スター・ウォーズ』のダース・ベイダーを始めとして主人公の父親が強大な敵として立ちはだかる展開は多いのでそういう説が出るのも理解出来る。
優作は黒ずくめの組織のボスではなかったが、「探偵ゴッコ」「そのうち音を上げて泣きつく」と新一を子供扱いして認めていないところがあるので、新一は黒づくめの組織との戦いとは別に「父の優作に自分を認めさせる」と言う新たな戦いが始まったと言える。
今回の話にあった「黒ずくめの組織が変装してコナンの周りに現れる」「子供のコナンが黒ずくめの組織に追いつめられるとどこかに隠れるしか方法が無い」「警察等の力を借りられないとコナンは事情を知らない人を利用するしかない」等はこの後の黒ずくめの組織関係の話でも似たシチュエーションが起きている。おそらく優作はコナンと黒ずくめの組織の戦いが本格化した時に起きる恐れがあるシチュエーションを今回実演して見せたのであろう。