「誘惑の術」
『封神演義』第6回
妲己の誘惑の術(テンプテーション)が宝貝によるものだと判明する。
現在では「術」と言うのは少々の傷を治したり水を酒に変える程度のもので宝貝が無いと大仙人でも大した事は出来ないらしい。後に燃燈道人が登場した時に楊戩は術の事を「まだ宝貝が主流ではなかった時代に使われていた仙人の力」と説明している。
術が廃れていった理由は語られていないが、女媧との最終決戦で切り札となった太極図戦闘形態は宝貝を通して仙人から力を集める物だったので、女媧との戦いに備えて王奕や三大仙人が術より宝貝を使うように仙人界を誘導していったのかもしれない。
「妲己は隙だらけなのに隙が無い」。
前回の話で妲己はたくさんの宝貝を身にまとい多くの手下を周りに配置していて「隙が無かった」。しかし、その中でわずかな隙を見付ける事が出来たら、そこを攻撃する事で妲己を倒せるかもしれない。しかし今回の話で妲己は裸の状態で手下も誰もいない所で太公望を誘き出そうとした。つまり、宝貝が無くても部下がいなくても太公望を返り討ちにする事が出来ると言う自信があった。つまり「隙が無い」。
そこで太公望は考えを変えて妲己自身ではなくて紂王を狙う事にした。妲己が自ら太公望を倒しに来る時、それは妲己が紂王の側から離れると言う事でもあり、そこに「わずかな隙が生じた」のだ。
「妲己ちゃん 蠆盆を造る」に続く。