「太子二人Ⅱ」
『封神演義』第21回
今回の妲己の作戦は黄飛虎が太子二人を朝歌から逃がすのを利用して太子二人を殺害し、さらに太子二人を助けに来た太公望も始末すると言うもの。後に聞仲も言っているが、妲己は一つの行動で二つも三つも効果を生み出すのが恐ろしい。
ただし、太公望も言っていたように、方弼・方相の二人は打神鞭との相性が良いとは言え、宝貝を持っていない妖怪仙人を刺客として送り込むのは考えが甘いと言える。しかし、本当に妲己の考えは甘かったのだろうか?
この後に申公豹が太子二人の動向を気に入らないとして介入してくるのだが、ひょっとしたら妲己はそこまで読んでいて、今回の作戦の真の目的は「太公望を誘き出して申公豹と戦わせる」だったのかもしれない。
第1回で太公望は「封神は殺しにならない」と説明を受けているのに今回の話では「無闇な殺生は好まぬ」と言って方弼・方相との戦いを回避しようとしている。この時点で既に太公望は元始天尊の発言は信用出来ない部分があると感じていたようだ。
「太子二人Ⅲ」に続く。