「大決勝戦」
『DRAGON BALL』其之四十六
扉絵は筋斗雲に乗る悟空と車に乗るジャッキー・チュン。
亀仙人ではなくジャッキー・チュンが悟空と一緒に日常シーンっぽい扉絵に登場するのは珍しい。
遂にジャッキー・チュンの正体が武天老師だと明かされ、正体を隠して天下一武道会に出場したのは修行で強くなりすぎた悟空とクリリンが優勝する事で人生が駄目になってしまわないように上には上がたくさんいる事を教える為であった事が語られた。
この亀仙人の考えはそのまま『DRAGON BALL』のテーマとなり、ジャッキー・チュン(亀仙人)の後も天津飯、ピッコロ、ベジータ、フリーザ、セル、魔人ブウと強い存在が次々と現れ、悟空は彼らを越える為に修行を続けていくのであった。
ナムの地域では水は貴重だが天下一武道会が開かれている地域では水は豊富でタダと言う解決法はなるほどであった。考えてみたらそうなのだが自分は亀仙人が言うまで思い付きもしなかった。
水の問題が解決して感謝するナムに向かって「わすれていいよ。じゃーね」と軽く告げる亀仙人。彼が人からの感謝を期待して善行をしているわけではない事が分かる良い場面。
その後、一つだけ頼まれてほしいとしてナムに自分の身代わりをお願いしてヤムチャからの疑いを晴らすのだが、これによってナムの中でも「恩人の助けが出来た」として救われたところがあったと思われる。いくら亀仙人が忘れても良いと言ってもナムの性格だと恩を忘れる事は出来なかったと思うので。
ジャッキー・チュンにとってヤムチャに正体を疑われるのは想定外だったと思われるが、ナムの協力でジャッキー・チュン≠武天老師と出来た事で悟空に「世の中には亀仙人のじっちゃんのほかにも強いやつがいる」と思わせる事が出来たので、ヤムチャにジャッキー・チュン=武天老師と一度疑われる事は結果的に亀仙人の計画に良い方に作用したと言える。
「かめはめ波」に続く。