「九竜島の四聖③ -飲みまくり大会-」
『封神演義』第38回
今回の四聖との戦いで太公望の「弱点」が色々と出ている。
崑崙と金鰲は太公望が生まれるずっと以前から冷戦状態で交流が途絶えていたので太公望は金鰲に関する情報を殆ど持っていない。その為に最初は様子見をする事が多いのだが今回の高友乾戦のように最初の攻撃でダメージを負ってしまうリスクがある。
太公望は実は肉弾戦も宝貝を使った戦いも上手く戦う事が出来るのだがそれでも絶対的なパワー不足は否めない。
この戦いの後に太公望は高友乾の水のバリアに捕らわれてしまい、近くにいた天化を手助けする事が出来たが、その場にいなかった哪吒は太乙真人がいなければ負けていて、さらに楊戩がいなければ西岐は壊滅していた。
これらの「弱点」については後にいくつか解決している。
まずパワー不足については杏黄旗や太極図と言った新たな宝貝によって解決した。
金鰲に関する情報の少なさについては楊戩が金鰲について知識がある事が判明してからは楊戩に聞くようにしている。又、張奎戦のように自分の代わりに楊戩を戦わせて相手を分析するようになった。そして自分がその場にいない時の仲間へのフォローに関してもこれまた楊戩に自分の代わりを頼むようになった。こうして見ると、まさに楊戩は「太公望の片腕」と言って良い働きを見せている。
因みに、その楊戩が動けなくなった仙界大戦の中盤では楊戩の代わりに普賢真人が相手の分析を行ったり太公望に代わって仲間に指示を出したりしている。
普賢真人は太公望と同期で若くして崑崙十二仙に選ばれている。太公望が封神計画の中心人物になる事は最初から決まっていたので、ひょっとしたら、元始天尊は太公望を補佐する人物として普賢真人を用意していたのかもしれない。
ただ、そうなると「元始天尊は自爆プログラムのある太極符印を普賢真人に作って与えた」と言うのが引っかかる。ひょっとしたら、普賢真人は最初から「封神計画実行者である太公望の補佐で、太公望が危機に陥った時には身代わりになる」と言う役割を与えられた人物だったのかもしれない。もしそうなら、聞仲との戦いで普賢真人が太公望を生かして自分の命を投げ出したのも理解出来る。
「九竜島の四聖④ -四聖・西岐へ-」に続く。