「通天教主FIVE」
『封神演義』第133回
「……崑崙の道士です」
「自分を…自分を知るためです」
「僕の本当の父がここにいるはずです。あなたに父への伝言をお願いしたい。僕は人間です……と」
「僕は太公望師叔たちと出会い変わりつつあります。自分の弱さを他人にさらす事が本当の勇気なのだと知りました」
「父上……。あなたに伝えたい…。僕はこれからもずっと崑崙の味方です…でも……妖怪です…」
楊戩は「これからはあなたからも自分からも逃げたくはない」と言っている。今から50年前、息子は妖怪の姿を隠して人間の姿で父に会いに行き、父は息子の姿を正面から見る事無く背中を向けて話を聞くだけであった。しかし今、息子は妖怪の姿で父のもとに行き、父はそんな息子を正面から見る形となった。
「通天教主SIX」に続く。