「死闘八 -永劫の幸福-」
『封神演義』第142回
生き残っているであろう蟬玉達の事はどうするのか?と尋ねられた太公望は「それは武吉に任せよう。その辺の事ではあやつほど信頼のおけるやつはおらぬ」と答えている。
太公望が武吉を高く評価している事が分かる。そして武吉は太公望に指示を仰がずとも太公望が望む事を理解して蟬玉達を助け出し、その期待に応えた。
太公望に寄生していた王天君のダニを「サービス」で取り除く四不象。
こんな典型的なツンデレをまさか四不象で見る事になるとは第1回の時は予想もしなかった(くすっ)
崑崙の仙道達を禁鞭で蹴散らしていく聞仲の絵がまさに「ラスボス」と言う圧倒的な威圧感があって見ていて思わず震える。女媧、妲己、紂王と強敵は他にもいるが、この時の聞仲を超える強敵感を見せた人物はさすがにいなかったと言える。
聞仲は朱氏や歴代の王達との関わりや乱れた国を再建しようと一人で頑張る姿が度々描かれていたので読者は彼に感情移入するのだが、今回の元始天尊との話で「歴代の王達との関わり」「一人で国を動かす」と言ったこれまで聞仲に感情移入するきっかけとなったエピソードが全て「己の思想で人間界を統治する真の支配者」を示すものであるとひっくり返したのが面白かった。
元始天尊が聞仲の行いを否定したのは、おそらくは女媧の行いとリンクしたからであろう。聞仲の言う「幸福」も一理あるのだが、元始天尊は「支配」による「幸福」には否定的なのであろう。
元始天尊自身が戦うかどうかは第1回から引っ張っていたので今回の話は「いよいよ来たのか!」と言う盛り上がりがあった。「さぁ、その身に受けよ! この崑崙の教主・元始天尊の力を!!」の場面が格好良すぎ!
「死闘九 -スーパー宝貝『盤古幡』-」に続く。