「おかえりなさいの段」
『忍たま乱太郎』20期第90話
2012年11月14日放送
前回の続きで20期の最終回。
学園長役の辻村真人さんの最後の出演回である。
前回の話で土井先生を騙したり今回の話で山田先生と互角に戦ったりと八方斎の実力が見られる。山田先生が思わず「強い……」と漏らすほどなのでそうとう強いのだろう。
伊作が不運要素が無かったら六年生で一番の技の切れを持つと言う設定があるように八方斎も頭が重くてひっくり返ると言うギャグ要素が無かったら実は『忍たま』でも上位に入る実力の持ち主なのかもしれない。
土井先生と山田家の関係を聞く一年は組。
ここはいつもの乱きりしんではなくて乱太郎としんべヱと庄左ヱ門が聞いていて、きり丸は庄左ヱ門の背後に隠れている。
忍術学園の教師になる前、土井先生は忍務に失敗して敵に追われていたところを山田先生達に助けられた。土井先生によると利吉さんが12歳の時の話らしい。現在の利吉さんは18歳なので6年前の話となる。
今回の話は『落第忍者乱太郎』の50巻に収録されている「登場人物たちの履歴書」に描かれている土井先生のエピソードをアニメ化したもの。「登場人物たちの履歴書」には山田家と出会う前の土井先生のエピソードも語られているので土井先生ファンは必見。
土井先生が落ちてきた事で久し振りの家族揃ってのピクニックをおじゃんにされた利吉さん。この時に父親の山田先生は利吉さんより土井先生の方を優先していて、それに対して利吉さんは不満な表情を浮かべている。
子供なので自分より正体不明の人物の方を両親が優先したのに不満を抱いてしまうのは分かるが、山田先生が追っている側も追われている側も正体不明の中で追われていた土井先生を庇ったのは利吉さんに血や死を見せない為だったと思われる。
山田家と出会った花畑を崖の上から見下ろす土井先生。
6年前にこの崖から落ちて山田家と出会った事で土井先生は忍術学園の教師となり今は教え子達と一緒に山田先生の家に行く事になる。
今回は山田先生の家に行くまでの道程が丁寧に描かれているが、おそらく6年前の土井先生も同じ道を通って山田先生の家に運ばれたのだろう。
今回の話は山田先生のお話でもあるが土井先生の話でもあった。
伝子さんに変装して山田先生達を出迎えた利吉さん。
今回の利吉さんはハイテンションでいつもよりちょっと子供っぽい感じになっていた。こうして見ると山田先生に家に帰ってほしかった一番の人物は利吉さんだったのかな。
6年前も母親は忍者と言うのを理解して動いているけれど、利吉さんは分かっているけれど納得できない感じだったし。今も昔も利吉さんは山田先生と奥さんの「子供」なんだなと言う事が分かる。
山田先生の奥さんの「お帰りなさい」は山田先生に向けてのものなのだが、土井先生がかつて山田家にお世話になっていた事を考えると土井先生にも向けられていたのかな。
今回の話と「土井先生ときり丸の段」は直接の繋がりは無いが、「土井先生が「お帰りなさい」と言ってもらえる山田家」と「土井先生が「ただいま」と言うきり丸との家」と考えるとこの二つの話は「土井半助の家族」と言うテーマで結び付ける事が出来る。