「太子の選択・その2」
『封神演義』第78回
妲己に改造された紂王はモンスターのような外見に。
後に再登場した時は今回のような姿を見せる事は無かったが一体これは何だったのだろうか? 湯王の神の力をまだ制御する事が出来ず、それが体のあちこちを変異させていたのだろうか?
「下山したら太公望に従うんだ。もし私達の言う事に逆らった時はお前達は死をもって償わねばならない」。
まるでヒーロー作品に登場する悪の組織のような台詞だが、広成子と赤精子は殷郊の想いをどこまで理解した上でこの発言をしたのか気になる。
まだ王としての自覚が無いからか、この頃の武王は自分で判断する事が少ない。しかし、「仙人が全てを片付けてくれるのではない」「戦いが終わったら仙道は人間界を去る」と言う話を聞き、武王はいつまでも太公望達を頼っていてはいけない事を悟る。
以前に太公望は「朝歌の民はハングリー精神があった」として平和ボケした西岐の民では戦に勝てないと考えていた時期があった。しかし、あれから数ヶ月が経って殷の状況はさらに悪化。紂王はバケモノと化して表舞台から姿を消し、後継者は数年前から行方不明。軍を司っていた武成王は造反。政権を担っていた聞仲も数週間前から行方不明。さらに裏切り者が続出する等して、もはや朝歌の民はハングリー精神と殷への忠誠心だけでは戦えない状況まで追い詰められていた。
「太子の選択・その3」に続く。