「殺し屋“桃白白”」
『DRAGON BALL』其之八十五
世界一の殺し屋桃白白が登場。
レッドリボン軍編の敵キャラクターの名前には色が付けられているが「殺し屋」の名前に「桃」と「白」と言う対極の色を付けるのが面白い。
桃白白は「だじょー」「殺し屋さん」「ぴょっ!」「アロ~ハ~」と台詞がちょっとコミカルになっているのだがキャラクター自体はコミカルさが全く無い正真正銘の殺し屋なので、このコミカルな言い回しは強者の余裕として怖さを増させる事になっている。
桃白白は今年で殺し屋を始めて20年との事。
この頃は鶴仙人の弟と言う設定は無かったと思われるので普通の人間の寿命で設定が考えられていたのかな。
悟空にドラゴンボールを取り戻されたブルー将軍だったがドラゴンレーダーを手にレッドリボン軍の本部に帰ってくる。しかし、レッド総帥は自分の命令は「ドラゴンボールを持ってこい」だったとして任務を果たせなかったブルー将軍の処刑を告げる。
この時点でドラゴンボールは悟空が持っている4個、レッドリボン軍が手に入れた1個、まだ見付かっていない2個となっていて、桃白白が悟空を倒せばレッドリボン軍が求めるドラゴンボールは大体の位置が把握できるている2個だけとなる。確かにドラゴンレーダーの存在によって後にバイオレット大佐がすぐにドラゴンボールを発見する事が出来たのだが、実はブルー将軍が考えているほどドラゴンレーダーの重要度は既に高くない状況になっていたのだった。
任務を果たせなかったがレッドリボン軍に尽くしてきたとしてレッド総帥は桃白白と戦って勝てたらブルー将軍を許すとする。
思えばブルー将軍ほどの実力者を殺せる人物がこの時点のレッドリボン軍には実はいないので、この戦いは「桃白白の腕前を確かめる」「失敗したブルー将軍を確実に処刑する」とレッド総帥にとって都合の良いものであった。
桃白白がブルー将軍をベロだけで殺してしまったのは衝撃だった。
『DRAGON BALL』の殺害シーンの中でも特に印象に残るものだったと思う。
ブルー将軍殺害シーン以上に印象に残ったのが桃白白の柱を使った移動シーン。
科学的にはツッコミどころがあるらしいが、こういう見て「凄い!」と思わせるハッタリは漫画には必要だと思う。
『DRAGON BALL』は強さのインフレが激しいイメージがあるが、今回の話でクリリン相手に互角以上に戦って、不意を突いたとは言え亀仙人を押さえ込んだブルー将軍を桃白白がベロだけで簡単に殺した事はその強さのインフレの始まりの第一歩だったと言える。
「桃白白の必殺どどん波」に続く。