「十絶陣の戦い・『紅水陣』・理解不理解」
『封神演義』第119回
藤崎竜さんがシルバーアクセサリーにハマっていたと言うのもあると思うが、この回の楊戩は王天君のような格好をしている。楊戩と王天君の関係をこの時点で暗示していたのかな?
「崑崙の仙人一人一人の力は大した事ぁねぇが……太公望が絡むとその知恵で実力以上の成果を上げやがる。だがオレならあいつのペテンにゃあひっかからねぇ。なぜって、オレが太公望以上のペテン師だからだ」。
一人目の王天君は楊戩と通天教主を憎んでいたので太公望との絡みは少ないが、こうして見ると、ちゃんと太公望との繋がりは出していたんだな。
「楊戩の本性が何であれ、わしは見捨てぬ! それだけの時間を共有してきたからのぅ!!」。
この言葉の通り、太公望は楊戩の正体を知ってもそれまでとは変わらない関係を続けた。ぶっちゃけると自分は「楊戩の正体の判明とそれを受け入れる太公望達」でかなり多くの話数をかけると思っていたので、太公望と楊戩が特に大きなイベントも無しに「これまで共有してきた時間」で次の段階に話を進めたのは驚きだった。
因みに本作には楊戩の他にも「とんでもない秘密が隠されていた」人物がいる。それは太公望で、物語の終盤で彼は王天君と同一人物でその正体は伏羲(王奕)である事が明かされた。それを知った楊戩は「自分の父と師匠を殺したのはあなたなのか?」と詰め寄ったが、それ以上は特に問題になる事は無かった。おそらくだが、楊戩の時と同じように「太公望と楊戩がこれまで共有してきた時間」がその辺りの問題を解いたのだろう。
「十絶陣の戦い・『紅水陣』・血の雨」に続く。